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していますので、情報機器がたくさん入ってきております。従ってプラザのほうで、例えばこういうボランティアをする人はいませんかというような情報通信網を通じて企業に直接、ダイレクトに入れるようなネットワークを作ることで、企業と行政とが一緒になってボランティアを盛んにすることはできるのではないでしょうか。これは私どもの提案のなかにも入っております。
それと先ほど山田さんのほうから雇用促進法ということで、「企業ももっと雇用しろ」ということでございますが、私は今の企業の動きを見ておりますと、60歳定年制を80%〜90%の企業は実施しております。ところが橋本首相が最近、「定年を65歳に伸ばせ」というようなことを言っております。大手企業はどうかわかりませんが、中小企業においては65歳というのは非常にむずかしい、難題であろうと思います。ただ救いなのは、高齢者、視覚障害者やいろいろな障害をもっている方の力も必要になってきているという認識は、企業にも非常に強くなってきているということです。例えば企業の中でも、フレキシブルに就業してもらう、あるいはワークシェアリングの考え方を入れる、あるいは体や精神的な状況に応じて選択的勤務制度、そういったものを人事などでは非常に考えてきています。
ですから、これから本格的な高齢社会に入っていきますと、女性の力、高齢者の力、あるいは障害者の力というのもどんどん企業のなかに入っていけるようなシステムができてくるのではないかと、そういう希望を私は持っております。以上です。

 

田中 ありがとうございました。それでは植木部長にお願いしたいのですが、今日ご参加の方は熱心にボランティアをされている方が非常に多いのですが、福岡市で今、実際にやってらっしゃる方が5%、ボランティアをやりたい方が60%、その差の55%の方がどこにいらっしゃるのかよくわからないのですが、その方々に、ぜひ30%になっていただきたいという気持ちを込めてアピールをお願いします。

 

●人間のもてる力を発揮できるような創造的なボランティアを

 

植木 今、福岡市の福祉予算はどのぐらいだとお思いになりますか。最初にご挨拶をしましたうちの局長が毎日決済をしている額ですが、毎日8億印鑑を押しています、年間3000億です。それでこの1年に250億伸びました。昨年は2750億でした。これが毎年伸びていっております。ところが、もうそんなにお金は使う時代ではないのです。どんなに働いても、そんなお金は出てきません。そういう金詰まりの話ではないのですが、やはり、ある意味でもこれまでの福祉を変えていかなければいけないと思っています。今までの福祉は、ある意味では人の本当にもっている力をそぐような福祉をしていたのではないかなと私は思います。そうではなくて、これからの福祉というのは、もてる力をもっともっと伸ばしていく福祉にしなければいけないのです。そういう意味で、いわゆる健常者だけがボランティアをするのではなく、例えば障害者でも自分がボランティアできることがあるわけです。先ほど山田さんも言われましたが、非常に重度の障害をもっている方でもボランティアをするという方もいらっしゃいます。そういうふうにボランティアをする人・される人の区別をなくすような、その人たちが自分のもてる力を最大限発揮できるよ

 

 

 

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